転職を考えた”瞬間”、”きっかけ”を振り返って考えてみる
前項までは転職活動に踏み出せない理由を挙げてきました。根幹にあるのは”現状維持をしたい”と”不確定な未来への不安”と考えられます。
それでも、少なからず転職を意識したということは何かしらのキッカケがあったはずです。
転職を考えたということは、現職の中で不満に感じる何かがあるのではないでしょうか。
ただ、その不満もずっと放置していると麻痺して「仕方ないか」と思うようになってしまいます。
そこで、改めて不満を掘り下げるためにも、”転職を考える瞬間”の例を大きく分けて3パターンであげていきます。
- 会社に関する事
- 仕事・業務内容に関する事
- 生活に関する事
- パワハラ/セクハラを受けた、もしくは横行している、周りも見て見ぬふり
- 残業代が出ないなど法定遵守がされていない、もしくは違法スレスレ、結果的に休職者・退職者が多い
- 将来性がない(業界内の地位が低い、会社としての強みがない、若手が少ないなど)
- 具体的な戦略がなく精神論のゴリ押し
- 年功序列(実績を出しているのに上が詰まっているため出世ができないなど)
- 給料が低い
- 仕事に意味を見出せない
- 今の仕事に興味が湧かない・学ぶ意欲・向上心が湧かない
- 今の仕事に向いていないと思う
- 今の仕事がビジネス・業界の本質から逸れていると思う
- 今の仕事から得る経験が自分の市場価値向上につながると思えない
- 2〜3年前から仕事に変化がない、時代の流れに取り残されているように思う
- 職種の特性的にテレワークができない、残業が多くなりやすい、土日祝日に休暇が取れない
- 毎朝起きるのがしんどい
- 金曜日が待ち遠しい
- 土曜日が一番幸せ
- 日曜の夜、月曜の朝が憂鬱
- 会社に行くこと、会社の人に会う事をストレスに感じる
- 仕事のことを考える事がストレスに感じる
- 仕事のストレスを家族や恋人にぶつけてしまった
- 家族や恋人との時間をリラックスしながら過ごせない
- 体力、精神的に辛く、趣味に没頭ができない
- 住む場所、車、食事、趣味・娯楽などの面で自分の望む水準を満たせない
転職をしなかった時のことをイメージする
前項で転職を意識し始めた瞬間、きっかけについて洗い出しができたら、次に考えることは
「転職をしなかったらどうなるか?」です。
薄々気付いていると思いますが、改めていうと残念ながら「現状は全く変わらず、ずっとそのまま」です。
会社(あるいは仕事)があなたの不満を汲み取って変わってくれる時は永遠に訪れません。
会社は基本的に、その会社の方針に満足(満足はしていないが諦めている)している人の集団によって成り立っています。その会社が会社として存続できている以上は、その会社の人たちにとっては都合が良かったり、変える必要がない・会社としての課題として認識されていません。中には改善しようと努力をしている会社もありますがごくわずかです。
現状が変わらずそのままであることは理解しつつも転職をしなかったらどうなるか。
当たり前ですが、転職を意識した瞬間やきっかけとして認識した時に感じた疑問・ストレスをずっと抱えながら仕事をしていくことになります。もっというと、そのような生活をずっと送り続けることになります。
次に考えるべきことは
今後5年、10年、20年間ずっとモヤモヤしながら平日を過ごし、来て欲しくない月曜日にソワソワしながら土日を過ごすことになるが、それでいいのか?
そのような仕事をする毎日、もっというとそのような生き方に自分が納得できるか?
ということです。
もし納得できるのであれば転職を急ぐ必要はないと思います。
でも納得できないままでは毎日擦り減っていく一方です。
極論に思われるかもしれませんが、ここは敢えて極論で考えるべきだと思います。
なぜならどういう仕事をするか?はどういう人生を送るか?という問いと同じくらい重い問いだからです。
そしてその選択をするのは他の誰でもなく、自分自身だからです。
会社は変わってはくれません。時間が解決してくれることなどありません。
人生単位で考える
前項で、どういう仕事をするか?はどういう人生を送るか?という問いと同じくらい、と言いました。
1日の時間とエネルギーの多くの割合を仕事で占めることになります。ということは、1日の時間とエネルギーから仕事に費やされる分を引き算した分が自分の生活として残ります。また、仕事から得られる対価(主に給料)をベースに自分の生活が構築されていきます。
なので、どういう仕事をするか?はどういう人生を送るか?になると考えます。
どういう仕事をするか?は所属する会社や仕事内容という大きな枠の中だけではなく、もう少し噛み砕いて「何の仕事を、どんな会社で、どんな状態・気持ちで、どのように進めているか?」というところまで細分化して考えましょう。
プライベート(生活)と仕事を分けて考える、という人がいますが、私はそれは違うと思っています。
プライベート(生活)と仕事は連動しており、分けて考えられるものではないはずです。仕事はボロボロだけど、プライベートは充実している、という人はいないと思います。
だからこそ、転職をするかどうかは仕事単体ではなく「人生単位」で考える必要があるのです。
転職を意識した時点で、会社や仕事に対するモヤモヤはその会社にい続けたり、その仕事を続ける限りずっと付き纏うものになります。
転職へのモチベーションが湧かないという時は、「人生単位」で考えてみましょう。
「人生=生活+仕事」です。
まとめ
- 転職活動のモチベーションが湧かない理由は主に「現状維持」「不確定な変化への不安」
- 面倒が理由で転職活動を始めるモチベーションが湧かない場合は、早々に転職エージェントの支援を受ける
- 転職を意識するということは現職に不満や疑問があるということ
- 転職を意識した瞬間、きっかけを洗い出してみる
- 転職をしなかった時のことをイメージしてみる
- 会社や仕事が変わってくれることはない
- 人生単位で考える
最後に 筆者の実体験
私が転職を考えたきっかけは主に2軸ありました。
1つは会社に対しての不満、疑問でした。
新卒で入社した会社はいわゆる古い体質の会社で、パワハラが横行していました。
具体的な指導はなく、とにかく精神論頼みでした。ミスをすると指摘や指導ではなく、オフィス全体に響き渡る罵声を社員全員の前で浴びせることしかできないような管理職しかいないようなところでした。
段々ストレスが蓄積して、平日は毎日這いつくばるように寝床から体を引き摺り出して、頭痛・腹痛・吐き気と闘いながら身支度をし、満員電車に揺られる毎日を送っていました。
土曜日は体力とメンタルの回復に精一杯で趣味に没頭できず
日曜日の夜はまたあの1週間が始まるということを考えると動悸が止まらなかったです。
流石にマズイなと思ったのは、寝ることを避けるようになった時です。
寝る=起きる=会社に行く
寝る=会社に行く
という謎の公式が出来上がり、
「寝たら起きる。起きたら会社に行かなければいけない。起きることを遅らせたい。そのためには寝ることを遅らせよう」
と脳みそが勝手にインプットした感覚でした。笑(笑えませんが)
上司に相談すると「お前も社会人らしくなってきたな!」「社会人みんな通る道だ!」と言われました。
今思うと明らかにおかしいのですが、当時は謎の公式を作り上げてしまうほど判断力が欠落していたので(笑)
「不満を抱いている自分が贅沢なのか?」「求め過ぎなのか?」と自分を疑う時がありました。
これが私が転職活動に中々踏み切れなかった理由になりました。
もう1つは仕事に対する不満・疑問でした。
これに関しては就職活動時に情報収集や理解を怠った自分の責任でもあるのですが、その会社は業界内の地位やシェア率も高くなく、その会社にしかできないこともなく、強みというものが無いに等しかったです。
ただ、そういった状況に置かれているにも関わらず、上層部から全体へは具体的な戦略立案の共有や指導や、業界の最新動向の分析はなく、「ひたすらに頑張ってください。」という精神論のみ。
この会社にいても頑張る力はつくかもしれないが、ビジネスマンとしてのスキルや、その業界内で通用する知識、ノウハウは身に付く気がしない。
そもそも頑張るのって当たり前なのではないか。
この会社にいて身に付くスキルといえばパワハラに耐えるスキルくらいだが、何の役に立つんだ?
ただ”仕事”をしたいだけなのに。パワハラが邪魔だ。
もっとこの業界のことを理解したいだけなのに。この会社では業界の動きに合った仕事はできない。
この業界の一員であることを自覚しながら、時代の流れに食らいつきながら、世の中の変化についていきながら、世の中がどう動いていて、どう変化していて、今後どう変化していくのか、その変化の中で自分はどういう立ち位置にいて、どう関わっているかを自分の言葉で説明できるようになりたいのに。
自分の努力次第でカバーすることが大事だが、日々の目の前の業務に追われて限界がある。
そもそも上司たちはこの状況をいいと思っているのか?なんでおかしいと思わないのか?と思っていました。
正直本当にしんどかったです。人生に絶望していました。
でも、ある時の帰りの電車で、ほぼ立ち寝でかろうじて吊り革を掴みながら
「いつまでこんなテンションで生きていかないといけないのだろうか。。。」
と、考えたことがありました。
ところが段々
「あれ、そもそおこの会社にいないといけないなんて誰からも言われてないな?」
「あ、会社や上司たちはこれが居心地が良いと思っているから、変わるわけないか」
「この会社に居続ける選択をしている自分がおかしいんだな」
という考えが出てきて、「よし、転職しよう」と決意をしました。
結果今では同業界内の上位企業に転職をして、前職の時に抱えていた疑問、不満はなく充実して働いています。
パワハラを感じた瞬間もないです。パワハラにならないように気をつけている、というよりはそもそもパワハラをする意味がないということを理解しているのだと思います。
ただ、その分求められる仕事の質や量、スピードは段違いに上がったため、初めの頃は別の意味で、前職より遥かにしんどかったです。笑
でも、前職の時の無駄なストレスはなく、仕事に真っ向から立ち向かっていく事ができています。
同じ業界でもこんなにも違うのか、と。
おかげで毎朝「今日もやるか!」という気持ちで仕事に臨めていますし、土日も勉強や趣味に集中できるようになって生活の充実度が上がりました。
人生という最大の単位で考えたときに、満足感高く毎日を送る事ができています。
私以外にも、同じような経験や、それ以上にしんどい状況に置かれている人がいると思います。
転職そのものを美化するつもりはありませんが、現職で苦しい状況に追い詰められている方々がいらっしゃったら、現状を改善する手段として転職があるということを伝えたくてこの記事を書きました。
この記事が転職活動を始める第一歩の後押しとなると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!